双極性障害ってなに?

双極性障害(躁うつ病)は、うつ病とは異なる病気です。
大きな違いは、躁うつ病には気分の上がり過ぎた状態(躁)があることです。
双極性障害(躁うつ病)の原因は、遺伝的な要因に加えて、社会的・環境的な要因も絡んでいると考えられています。
つまり、もともと躁うつ病になりやすい体質の方が、過剰なストレスなどを受けることによって発症してしまうということです。

双極性障害(躁うつ病)は、自然に収まる場合もありますが、多くの場合、治癒までに時間がかかり、放っておくと躁とうつを繰り返すことになりがちです。
しかし治療を受ければ、気分の変動をコントロールできるようになり、支障なく日常生活を送ることができます。

 

双極性障害になりやすい人は?

肥満型の体格の人と循環性性格の人に多くみられます。
循環性性格の人の特徴は、社交的、善良、親切、人情味、ユーモア、活発、性急、静か、穏やか、気重、柔和などです。身体疾患、転職、昇進、退職、転居、異性関係、近親者の病気や死亡、妊娠、出産などが要因となることがあります。

 

双極性障害の症状

躁になると、次のような症状が見られます。

・ 気分が高揚し、楽観的になる
・ 自己の課題評価、誇大妄想
・ 多弁、多動
・ 判断力が乏しくなり、危険を顧みない
・ 睡眠時間が少なくても疲れを感じない
・ 注意散漫、集中力低下
・ イライラしやすく、怒りっぽい

反対に、気分が落ち込んだ“うつ”になると、次のような症状が見られます。

・ 悲しい気持ちになり、絶望感が強い
・ 今まで楽しめていたことに興味を感じなくなる
・ 頭の回転が遅くなり、思考力が低下する
・ 疲れやすい
・ 不眠、食欲低下
・ 自責の念が大きくなり、自殺願望が生じる
※うつ病に関する詳細は、こちらをご覧ください。

双極性障害の治療

双極性障害(躁うつ病)の治療の基本は、お薬(気分安定剤)による治療です。うつの症状が強い時には、抗うつ薬が用いられます。また、場合によっては、非定型抗精神病薬が使われることもあります。

双極性障害(躁うつ病)は、再発しやすいので、これを防ぐために、症状が良くなっても、薬の服用を続ける必要があります。再発を繰り返すと、長期間にわたって薬を飲まなくてはなりません。服薬スケジュールを守ることは大切です。

また、飲酒は原則として控えるべきです。なぜなら、アルコールと薬は相互作用があり、薬の効き目が弱くなったり、薬の副作用が出やすくなるためです。

病気の症状を受け止めて、改善に向けての治療をしていきましょう。

 

周囲の方がしてあげられること

まずは、躁やうつの兆候を見逃さないことが大切です。
普段より口数が多くなり、怒りっぽくなったりイライラしやすくなった時は躁のサインです。また、自殺をほのめかしたりするようになった時はうつの緊急事態です。
何か兆候がありましたら、すぐに病院などの専門治療機関に行けるように手助けしましょう。

双極性障害(躁うつ病)は、治療を受ければ、多くの場合、支障なく日常生活を送れるまで回復することができます。
ただし、治療は長期にわたります。ご本人のみならず、周囲の方も病気の性質をよく理解しておくことが大切です。